「今死なないのなら、死ぬまで楽しんでもいい」取材を受ける中で考え方が整理されていく? 8月にネット心中をした少年④
インターネットの自殺系サイトで、心中相手を探していた義紀(仮名、18)。彼とは一度だけ東京・新宿で会った。それだけだが、相当に入念な計画をしていた。もし生きていたら、また会おうと言って別れる。取材後、彼はネット心中を実行した。なぜ、そこまでの想いに至ったのか。彼を偲ぶために、当時の取材を振り返る。
渋井哲也
2024.08.10
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他人と約束していれば、『死ななければならない』
「自分が世界のすべて、つまり、自分がいなくなれば世界が終わる、という考えもあるけれど、自分が死んでも世界は続くとも思っている。どうせ死ぬのなら、大げさに死にたいですよ。いずれ人は死ぬんです、そう感じなら生きて行くのも嫌です。だから、他人と約束していれば、『死ななければならない』でしょ」
そう言いながらも、義紀は、東京に遊びにきたり、そのついでに新宿西口の喫茶店で私の取材を受けた。取材は義紀も楽しそうだった。