児童生徒の自殺者数過去最多の529人。「模倣自殺」があった86年以来の増加。配信や中継をする人も。

 児童生徒の自殺者が増えている。警察庁統計では、日本の全年代の自殺者は減少傾向だ。しかし、10代の自殺者は増加傾向。職業別で見ると児童生徒は過去最多になった。
渋井哲也 2025.04.22
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 警察庁によると、2024年における、10代の自殺者が800人となった。2年連続で800人台になった。アイドルの自殺後に中高生が連鎖自殺した1986年以来の、自殺者数の増加になった。職業別で見ると、児童生徒では529人で、過去最多になった。日本全体の自殺者数は減少傾向だが、若年層は増加傾向を示している。

 過去最多になった児童生徒の自殺者数だが、身近な問題として捉えるのが難しい人も多いだろう。昨年は、社会的に衝撃を与える自殺事件があったわけではない。

 例えば、Twitterで「死にたい」などと呟いていた男女9人が殺害された事件のあった2017年は10代は599人、児童生徒は357人が自殺で亡くなった。あの事件をきっかけに、厚生労働省はSNS相談を始めた。

警察庁の自殺統計より筆者が作成(青線が10代、赤線が児童生徒)

警察庁の自殺統計より筆者が作成(青線が10代、赤線が児童生徒)

 その後、コロナ禍で有名人の自殺が続いた。そのことは社会的に話題となるが、ここ最近は、衝撃的な、あるいは印象に残る自殺が多かったわけではない。

 例えば、厚生労働省が注意換気した件数は、20年は5件、21年は6件、22年は5件、23年は4件、24年は2件だった。いわゆる、報道による連鎖を懸念した事案はむしろ、減っている。にもかかわらず、なぜ、増加するのかは、明確な答えはない。

人口10万人あたりの自殺死亡率(警察庁統計から筆者が作成)

人口10万人あたりの自殺死亡率(警察庁統計から筆者が作成)

厚労省が行った注意喚起(厚労省のホームページより)

厚労省が行った注意喚起(厚労省のホームページより)

 児童生徒の自殺者が増加傾向だが、警察庁統計によると、高校生だけで初めて300人を超えたのは20年で339人だった。それ以降は、21年は314人、22年は354人、23年は347人、24年は351人となっている。22年がピークで増減を繰り返している。

 また、警察庁は初めて児童・生徒の自殺者の都道府県別のデータを公表した。東京都は75人でトップ。続いて埼玉県43人、神奈川県39人、愛知県と大阪府が32人。福岡県は27人。千葉県と兵庫県は26人。北海道が25人などとなっている。

自宅マンションからの自殺中継か?背景は恋愛?

 そんな中で、自殺配信をする人も出てきている。

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