地下アイドルの実態を告発。給料未払い、パワハラ、精神的負担。過食嘔吐で入院も。辞めたメンバーがSNSで
元地下アイドルであるリサ(仮名、23)が、その業界での経験と過酷な実態について、SNSで綴った。内容は給料未払いやパワハラ、精神的な負担など、業界が抱える問題を浮き彫りにする告発だった。その内容を読み、筆者はインタビューを依頼した。リサは経験した地下アイドルの内情と直面した困難について語った。
リサは高校2年生の頃から約6年間にわたり、地下アイドルとして活動してきた。当初所属していた事務所は体制が整っていた組織だった。高校卒業を機に、個人運営の事務所に移籍した。この事務所は元アイドル佐藤氏(仮名)が運営し、リサを含む4人からスタートしたグループA(仮称)で活動を続けた。その後、妹グループB(仮称)も結成され、メンバーは最大9人にまで増えた。

経験した地下アイドルの実態について語ってくれたリサ(仮名、撮影:渋井哲也)
高校卒業後、アイドルグループのメンバーになるが、精神的に参ってしまう
「以前の事務所は高校卒業というタイミングでやめました。受験もあったんで…。そこはしっかりした事務所でした。19歳の時に移籍しました。元アイドルの佐藤さんが個人的にやっている事務所でした。私が所属したアイドルグループは4人で、その後、後輩が増えて、所属は9人になりました。そしてグループは私がいたもののほかに妹グループができました」
どうして佐藤の事務所へ移籍したのだろうか。
「佐藤さんは、地下(アイドル)界隈だとちょっと名前が知れていました。高校生の頃にいた事務所のマネージャーが佐藤さんと繋がっていて、『(佐藤さんの事務所の)オーディションがあるから話を聞いてみたら…』と言われたんです。佐藤さんはもともとアイドルグループにいて、リーダーをしていたり、後輩の教育係をしていて、地上波のテレビにも出ていました。高校生のときに私が所属していたグループは解散が決まっていました。事務所の人に誘ってもらったし、『いいかな』と思ったんです。昔からのファンの人からも、『戻ってきて』という声もあったんで…」
事務所を移籍すると、アイドルグループが作られた。しかし、グループとしての目標を言われたことはなかった。
「私がいたグループAは4人でやっていたんですけど、C子は、佐藤さんのパワハラが嫌でやめてしまいました。そのため、一時期3人でやっていました。新メンバーを入れたんですが、『佐藤さんと合わない』と言い出してすぐに辞めちゃって…。そこからまた新メンバー2人が加わりました。でも、同期の子が『佐藤さん、無理』ってなって。1年くらいは4人で活動していたんですが、そこから私が精神的に参ってしまいました」