【独自】神戸市いじめ隠蔽問題:第三者委は「いじめ・恐喝を隠蔽」と結論。神戸市教委は、‘故意’を認めず。謝罪についても父親との認識にズレ。文科省が指導したが…
約20年前、神戸市内で起きた小学5年の男子児童(当時)が同級生から暴行を受けたり、金銭を要求されるという事件があった。被害児童は、加害者の同級生とその保護者を相手に損害賠償を求めて提訴した。民事裁判で裁判所は訴えを認めた。一方、神戸市教委はいじめを認めてこなかった。2019年に市議会で陳情が採択され、翌2020年に第三者委員会が設置された。23年、報告書では隠蔽の痕跡を指摘した。しかし、市教委は「結果を真摯に受け止める」としながらも、「隠蔽」との結論は受け入れていない。
被害児童の父親や資料によると、05年4月、男子児童は「きしょい」「うざい」「死ね」「消えろ」などと暴言を言われていた。また、〝K―1ごっこ〟と称して、暴力も受けていた。ものを隠されたりした。さらには金銭の恐喝にあった。奪われた金額は、総額で50万円ほど(学校調査では約20万円)だった。この件が発覚したのは06年2月4日。父親が目撃した。当時の校長は、被害者側にはいじめと認めたものの、加害者側にはいじめではないと二枚舌を使っていた。そのため、男子児童へのいじめは悪化していった。
学校は市教委に「いじめ恐喝事件」として報告したが、市教委の公式文書では「学校が被害児童から十分な聞き取りができていない」等と記載されていた。実際には、学校は被害児童から16回にわたり聞き取りをしていた。しかし、市教委は、被害児童が加害者側に対して起こした裁判で、「被害児童の保護者から聞き取りを拒まれたため実施できなかった」と虚偽の説明をした。この食い違いは、隠蔽の疑惑につながる。