「人生が飛躍する」独自の説によるわいせつ行為での“エネルギー注入” 被害女性が証言 東京地裁
「将来に不安があり、他人に相談することもなかった。11月27日に先生にそれを言い当てられて、涙を流しました。それで心を開いたのです」。2022年12月、「修行」と称して、20代の女性に性的暴行を加えたとして、愛知県一宮市の職業不詳、大野勝彦被告(当時65)を準強制性交等の疑いで逮捕された事件の裁判の公判が東京地裁(島戸潤裁判長)で行われている。25年12月、被害を訴える女性の一人、Bさんに対する尋問が行われた。
東京地裁(撮影:渋井哲也)
被告は独自の説を展開「マイナスのエネルギーを一瞬のうちに取り除く…」
大野被告は「子宮に悪いエネルギーがたまっている。俺と修行して苦痛を味わえば、人生が飛躍する」などと言って信じ込ませ、性的暴行に及んだ。2022年12月、東京都内のホテル一室で、20代の女性にわいせつな行為をした。
大野被告は「神生一人」と名乗り、「動波神術」として、「人間関係のトラブルや病気の元になっているマイナスのエネルギーを一瞬のうちに取り除くことや、プラスに変換することなど、人間の力による調整を体験していただくことができます」と独自の説を展開していた。具体的には、性的行為によってエネルギーを注入し、調整するというのだ。
証人となった被害女性Bさんは芸能事務所に入っている。大野被告との出会いは、被害女性Cさんと、また別の被害女性Aさんの夫から話を聞いたことだ。ちなみに、このAさんの夫とは、仮想通貨の勉強をするコミュニティで知り合った。検察官は「2人の話は決め手だったのか?」と聞かれ、Bさんは「はい」と返事した。「先生との話で決めたのでは?」と質すと、Bさんはこう証言した。