【被害生徒保護者インタビュー】いじめ不登校事案の「検証委員会」を設置せず。約束だったが方針変更。内部調査で「問題なし」と伝える。静岡県湖西市

 静岡県湖西市にで発生したいじめ重大事態の事案。調査報告書では「いじめ」と「不登校」との間に因果関係を認めた。この調査をめぐっては保護者が疑問を投げかけており、前市長が検証委員会を設置すると約束していた。しかし、現市長が方針を撤回した。
渋井哲也 2025.08.22
サポートメンバー限定

 2019年、静岡県湖西市の市立中学校に通う女子生徒が卓球部で集団無視といったいじめを受け、不登校になっていた。この問題では、市いじめ問題調査委員会が調査報告書をまとめたが、その内容をめぐっては、調査のプロセスに疑義があるとして、生徒の保護者が第三者による検証を求めていた。この件について、田内浩之市長は8月14日、「検証や再調査を行わない」と伝えた。これに対して、保護者は市の姿勢に「納得できない」としている。

 調査委員会の報告書によると、女子生徒の保護者から、「いじめによる疑いがある不登校」として、調査委の申立てがあったのは2021年4月。それに基づき、調査委員会が設置された。ただし、保護者は、その以前から市教委に対して、調査委の設置を訴えていた。これを受けて、湖西市いじめ問題調査委員会規則を制定し、同年8月4日付けで、公布・施行した。

調査委はいじめを認定。不登校との因果関係も

 聞き取り調査は20年3月、複数の教員が分担して行った学校の調査結果を使った。それによると、同じ部活に所属する同級生の一部から「(本人が同じ卓球部の生徒らの輪に)入りにくいと感じさせたかもしれない」「(本人が無視されたように)思ってしまうのは仕方がない」「自分たちにも責任があるのでと思っている」などの回答があった。そのため、本人を「畏怖」させ、本人に対して「距離を置く」ような、何らかの態度や言動があった。この点、「いじめ」に該当する行為はあったと認めた。その上で、いじめと不登校の因果関係があったことも指摘している。

「19年12月20日に、『欠席が30日になったために調査をしてほしい』と言いました。いじめと気がつくきっかけは、中2のゴールデンウィークが明けて1発目に部活行ったら、もう全員が無視。目を合わせない。あのスーッと離れていく。本人が気づきました。その時は『なんか忙しかったのかなぁ』とか言ってて、こっちも『気のせいだ』とかって言ってね。話しかけて答えてくれないじゃなくて、話せない空気になっていました。気がついたらみんな帰ってきたというのです。初めての試合の日に、娘が『横にいて』というので見ていたら、本当にそうでした」(母親、22年3月の取材で)

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、3900文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

サポートメンバー限定
買う側の法規制議論のきっかけの一つになったタイ少女マッサージ事件「ブロ...
サポートメンバー限定
京都・南丹市で子どもの遺体発見。性別は不明。行方不明となっている男児と...
サポートメンバー限定
京都・南丹市の行方不明になった小学生男児はどこへ?過去のケースを考える...
誰でも
年度末はいじめ重大事態報告書や関係した教職員の処分が出されるタイミング...
読者限定
「自宅で殺害し遺体を解体したい」承諾殺人事件で被告人が起訴内容を認める...
サポートメンバー限定
「七代遡ると…」の出典は統一教会?こどもの自殺対策を問われた高市総理の...
サポートメンバー限定
【東日本大震災から15年】石巻・大川小学校では多数の児童が犠牲になった...
サポートメンバー限定
【東日本大震災から15年】釜石の子どもたちの避難行動。‘奇跡’と呼ばれ...