甲子園出場校・広陵高校の暴行事件 いじめ重大事態として県に報告せず
第107回全国高等学校野球選手権大会に出場している広島県代表の広陵高校(広島市)の公式野球部内で暴行事件が発生し、被害生徒が転校していたことが分かった。被害生徒の保護者と見られるSNSのアカウントが詳細を明かし。SNSで拡散された。筆者が学校に問い合わせると、SNS上で拡散されている情報について、一部を除き、大筋で事実であると認めた。しかし、いじめ防止対策推進法による「いじめ」とは認定せず、県知事への報告もしていないことも分かった。
同校のホームページはアクセスが集中したためか、表示されなくなった。また、同行への問い合わせも殺到したため、電話がつながりにくくなった。そんな中、筆者も電話取材を試みた。夕方になってようやくつながり、電話取材ができた。電話の主は事務長である。
保護者のものとみられるSNSのアカウントでは今年1月に、1年生部員がカップラーメンを食べていたところ上級生に見つかり、10人以上の上級生が取り囲まれ、殴る蹴るの暴行を受けたことが書かれている。暴行を受けた部員は寮から一時、行方不明にもなったりした。また、その1年生部員が監督と面会をした際には、カップラーメンを食べたことで叱責をされた。その上で、公にしないように恫喝を受けた、という内容になっている。その後も寮からいなくなり、一人になった際には、川に飛び込むことも考えるほどにもなっていた。
以下は、一問一答の形式でまとめた。
暴行事件は認めるが、「一部は齟齬がある」と学校側
――保護者とみられるSNSのアカウントで部内で起きた暴行事件の詳細が投稿されている。内容は事実か?
学校 ネット上にいろいろな情報が出ていると思いますが、今年の1月下旬に、暴力事件がありました。具体的には上級生が下級生を指導する際に、手が出てしまったという事件があったのは事実です。SNSのアカウントは把握しております。ただ、保護者が情報をアップしている中で、学校としてすべての事実を把握はできていないが、概ね、事実です。
――学校が把握していないのはどの点か?
学校 「何かを舐めろ」(ネット上では「性器を舐めろ」「便器を舐めろ」と言われたという情報が拡散されている)とか、そういうところですね、学校の聞き取りでは、生徒からは確認できておりません。保護者の方は保護者の思いでアップなさっていると思いますが、学校の聞き取り調査とは齟齬があると思っています。