「威圧的・感情的な言動での指導」が最多。小中では授業中、高校では部活動中が多いーー「不適切指導」の初調査 文科省
文科省が初めて「体罰等の実態把握について」で、不適切指導で処分を受けた教職員の詳細なデータを公表した。単年度のデータのため、ここから分析できる範囲は少ない。それでも、前回に続いて、そのデータから言えるものを考えてみた。
渋井哲也
2024.12.29
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文部科学省が毎年集計している「公立学校教職員の人事行政状況調査」で、初めて「不適切指導」の詳細が明らかになった。22年度分は不適切指導による処分件数だけが集計されていたが、今回公表された23年度分では、体罰調査とほぼ同じ詳細な項目が公表された。
不適切指導による処分件数が前年と比較して増加したことはすでに伝えたが、今回の記事では、体罰と不適切指導で処分された詳細を分析することにした。その結果、児童生徒・保護者と教員のギャップを感じることができた。「生徒指導提要」(改訂版)で不適切指導が明文化されて2年が経つ。この結果からみれば、普及・啓発のためのパンフレット作成や研修の充実が求められる。そして、処分されていない実態調査も望まれるところだ。
まず処分された教員の年齢層を見てみる。私が取材を続けている「不適切指導」に関連するものもあるが、公立だけでなく、国立と私立を含め「体罰等の実態把握について」のデータをグラフ化した。
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- 「威圧的・感情的な言動での指導」が最多!
- 小学校では授業中。高校では部活動
- 体罰では「50歳以上」が最多。不適切指導は…
- 教員の中では「不適切指導」が浸透されていない?
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