立川の学校侵入事件を契機に、保護者対応を考える。なぜ、母親は学校に負の感情を向けたのか
5月8日午前11時30分ごろ、東京都立川市の市立第三小学校の教室に男2人が侵入した。児童の保護者の知り合いだった。学校の保護者対応を考える。
渋井哲也
2025.05.19
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東京都立川市の第三小学校に男2人が押し入って、教職員5人を殴るなどした。駆けつけた警察官に暴行の疑いで現行犯逮捕された。逮捕されたのは46歳の男と27歳の男。2回の2年生の教室で担任の男性教諭(30代)を暴行し、酒瓶を床に投げつけた。一回に移動して職員室前でガラスを割った。児童にけがはなかったが、教職員5人がけがをした。きっかけは「児童間のトラブル」のために母親が担任と話し合ったが、納得いかなかったためだ。
この問題を論評するにあたって、筆者が「あるべき姿」とする大前提として、学校では学習指導と生活指導(生徒指導)とを分離し、担当する教員も分けるべきだと思っている。そのため、教員の定数を増やすべきだ。ただ、現行の教育制度では、学習指導をする教諭が、生活指導をすることが前提になっている。この論評は、筆者の「あるべき姿」を前提にするのではなく、今の制度の中で考えることにする。

文部科学省(撮影:渋井哲也)